認知症の時代 2020 8 2
男性は「隠れた認知症」になりやすいかもしれません。
会社を退職すると社会との接点が断絶され、
家にこもりがちとなるでしょう。
ある者は、一日テレビの前で過ごして、
ある者は、一日パソコンの前で過ごして、
家族からは、その後ろ姿から「お地蔵さん」と呼ばれるでしょう。
これでは「認知症一直線」と言えるでしょう。
妻からは「たまには外出して」と言われて、
渋々と外出すると、実は、すでに認知症の兆候が出ているが、
本人は気づかず、他人は気づいているという状態が多くなってきます。
たとえば、駅のホームで人の流れができているところで、突然立ち止まる。
現役の時は、「こんなことをすれば、みんなの迷惑になる」とわかっていたのに、
年をとった今は、それすら気づかないのです。
これは、状況把握能力が低下しているのです。
あるいは、持病の治療で病院に行っても、
診察室の中で、病気に関係ないことを延々と話してしまう。
現役時代だったら、「こんなことをすれば、主治医に迷惑だ」とわかるのに、
年をとった今は、話し相手がいないので主治医に世間話を延々としてしまう。
これも、状況把握能力が低下しているのです。
年を取ると、自分を第三者の視点から見ることができなくなるのです。
私が驚いたことを書くと、
駅のホームの柱の側から現れた高齢の紳士は、
なんとスボンを履いていなかったのです。
上半身は立派な身なりでしたが、下半身にはスボンがなく、
靴と靴下は履いていましたが、スボンを履き忘れたのです。
確かに一日テレビを見ていたら、ボケてしまうのはわかるが、
パソコンをやっているならばボケないのではないかと思うでしょうが、
実は、このような作業は、大脳の一定部分しか使わないので、
やはり、ボケてくるのです。
男性にとって認知症防止には、料理を作ることです。
まず食材を集めるにはスーパーに行きます。
しかし、スーパーの売り場は広いので、
買い物は、効率の良い順番を考える必要があります。
歩行距離が最短距離になるような順番を考えることは、
実は、最新鋭のコンピューターでも難しいのです。
(こうした分野は、AIコンピューターが得意です)
さて、料理を始めると香りや匂いがしますが、
このような香りを嗅ぐことも認知症予防になるのです。
逆に、香りがわからなくなったら、認知症の可能性があります。
OT occupational therapy 作業療法 2016 10 16
個人差はありますが、
コーヒーが認知症予防に効果があると聞いたことがあります。
それも、インスタントコーヒーではなく、
コーヒー豆からコーヒーを入れたものがよいという。
今、スーパーでは、インスタントコーヒーが主力で、
コーヒー豆は売っていないかもしれませんが、
コーヒー豆からコーヒーを入れるとなると、
家電量販店で専用のコーヒーメーカー(コーヒーマシン)を買うことになります。
しかしながら、全自動でコーヒーを作ってくれるとなると、
何の訓練にもなりません。
そこで、手動で、つまり人力で、
コーヒー豆を挽くグラインダー(コーヒーミル)というものがあります。
これならば、右手でも左手でも、
ある程度、力が必要で、時間もかかりますので、
作業訓練になります。
しかも、コーヒー豆を挽く時に、
コーヒーの香りをかぐことになりますので、
匂いをかぐことも認知症予防になると思います。
全自動の機械でコーヒーを作るよりも、
手動のコーヒーミルでコーヒーを作る方が格別のおいしさを感じるでしょう。
しかも、手作業が伴うので、認知症予防にもなるでしょう。
仕事を引退すると、毎日が日曜日のような状態となり、
単調な日々が続くことになるでしょう。
何事も便利すぎると、人間は、ボケてくるのです。
そういう時は、全自動のコーヒーメーカーよりも、
手動でコーヒー豆を挽くグラインダーの方がよいでしょう。
これは、電源を必要としないので、
コーヒー好きならば、旅先にも持っていけるでしょう。
(注)
コーヒーミルには、機械的な部分がありますので、
実際に認知症になった人には、
家族の人が作業を見守る必要があります。